最終確認日:2026年10月12日
株式会社FRONTEOについて、決算短信・有価証券報告書・適時開示と、社員の口コミ214件を確認しました。
調べて分かったことを、先に3つだけお伝えします。
どんな会社?
自社開発のAIエンジンKIBITを使い、訴訟の証拠開示や不正調査、AI創薬などを手がける東証グロース上場の会社です。2026年3月期の売上高は76億4,300万円でした。
気をつけたい点は?
2025年3月に米国のeディスカバリ事業から撤退し、台湾の子会社も閉鎖しました。主力だったリーガルテックの売上は1年で約4割減っています。
結局どうなの?
国内での訴訟対応や不正調査の実績は長い会社です。一方で、事業の中心はAI創薬やDXへ移りつつあります。海外の訴訟を頼む場合は、どの国で誰が作業するのかを確かめてから発注してください。
FRONTEOが向いている人・合わない人
公開情報と口コミから、向き不向きを整理しました。
向いている人
- 【発注】国内で、社内不正の調査やデジタルフォレンジックを頼みたい法務・コンプライアンス担当
- 【発注】メールやチャットを監査するAIを導入したい企業
- 【発注】AIを使った創薬の標的探しや、論文の探索を検討している製薬会社
- 【就職】AIやリーガルテックの実務経験を積みたい人
合わない人
- 【発注】米国の訴訟で、現地のeディスカバリ作業までまとめて任せたい企業
- 【発注】料金が最初から決まっている、定額のツールを探している企業
- 【発注】土日や夜間の緊急対応を前提にしている企業
- 【就職】売上目標の高さや、評価基準の分かりにくさを避けたい人
発注・応募の前に聞いておきたい3つのこと
公開情報だけでは分からない点を、相談や面接で直接確認しておきましょう。
1.【発注】海外の訴訟で、誰がどこで作業するのか
FRONTEOは2025年3月に米国のeディスカバリ事業から撤退しました。米国の訴訟を頼む場合は、現地のデータ収集やレビューをどの会社が担うのかを確認しましょう。
2.【発注】見積もりの単位と、緊急時の対応時間
料金は機器の台数や容量、調査の内容で変わります。見積もりの計算方法と、平日の日中以外に連絡がつくかを聞いてください。
3.【就職】配属される事業と、その事業の売上の動き
リーガルテックは売上が減り、AI創薬とDXが伸びています。配属先の事業の見通しと、売上目標の決め方を聞いてください。
事業ごとの売上の変化
2026年3月期の決算短信から、事業ごとの売上高を比べました。
| 事業・分野 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| リーガルテックAI | 34億9,151万円 | 21億3,604万円 | −38.8% |
| ビジネスインテリジェンス(コンプライアンス支援) | 14億5,704万円 | 13億3,820万円 | −8.2% |
| ビジネスインテリジェンス(プロフェッショナル支援) | 3億7,059万円 | 2億6,443万円 | −28.6% |
| 経済安全保障 | 4億2,567万円 | 5億4,569万円 | +28.2% |
| AI創薬 | 1億2,290万円 | 7億5,182万円 | +511.7% |
| AI医療機器 | 2億3,169万円 | 2億8,141万円 | +21.5% |
| DX(アルネッツ) | — | 23億2,574万円 | 2025年4月に買収 |
| 合計 | 60億9,940万円 | 76億4,336万円 | +25.3% |
売上は25.3%増えましたが、買収したアルネッツの売上を除くと、約53億円で前期より減っています。リーガルテックの減少は、米国事業からの撤退が影響しているとみられます。増減率は編集部が計算しました。
▶ 出典:FRONTEO 2026年3月期 決算短信をもとに編集部集計
ここ数年の大きな出来事
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2003年8月 | 株式会社Universal Business Incubatorsとして設立(2004年8月にUBICへ社名変更) |
| 2007年6月 | 東証マザーズに上場(2022年4月にグロース市場へ移行) |
| 2013年5月 | 米国ナスダックに上場(2020年2月に上場廃止) |
| 2016年7月 | 社名をFRONTEOに変更 |
| 2024年5月 | 米国子会社が買収した3社の資産で減損損失24億8,000万円を計上。借入の財務制限条項に抵触する見込みと開示 |
| 2025年1月 | 台湾の子会社を閉鎖 |
| 2025年3月 | 米国子会社のeディスカバリ支援事業から撤退 |
| 2025年4月 | DX内製化支援のアルネッツ(横浜市)を完全子会社化 |
2024年3月期は、減損により当期純損失が約28億円になりました。その後の2期は黒字に戻っていますが、事業の中身は大きく入れ替わっています。
▶ 出典:EDINET DB(有価証券報告書の沿革)/適時開示(2024年5月2日)/事業計画及び成長可能性に関する事項(2024年)/適時開示(2025年2月14日)/適時開示(2025年4月30日)
FRONTEOの総合評価
5つの観点で、編集部の見方をまとめました。
| 評価軸 | 評価 | 編集部の見方 |
|---|---|---|
| 国内の調査実績 | ★★★★☆ | 2005年からフォレンジックを提供。国内の不正調査や証拠開示の経験は長い |
| 技術の独自性 | ★★★★☆ | 自社開発のKIBITを2015年に発表。医療機器の製造販売業の許可も取得 |
| 海外案件への対応 | ★★☆☆☆ | 米国のeディスカバリ事業から撤退し、台湾の子会社も閉鎖 |
| 業績の安定性 | ★★★☆☆ | 2期連続の黒字だが、2027年3月期は営業利益が約59%減の見通し |
| 社員の働きやすさ | ★★☆☆☆ | 転職会議2.62。売上目標の高さを指摘する声がある |
評価は口コミの点数そのものではなく、編集部が公開情報と口コミを照らし合わせて付けたものです。
編集部総評
国内の不正調査とAI解析の実績は長い一方、海外の訴訟対応からは手を引き、事業の中心がAI創薬とDXへ移っている会社です。発注する側は、頼みたい業務がいまの主力事業に入っているかを確かめてください。特に海外の案件は、作業の担い手を事前に確認することが大切です。
株式会社FRONTEOの会社概要
| 会社名 | 株式会社FRONTEO(旧社名:株式会社UBIC) |
| 設立 | 2003年8月 |
| 代表者 | 代表取締役社長 守本正宏 |
| 本社 | 東京都港区港南2-12-23 |
| 資本金 | 9億1,505万7,000円(2026年3月31日時点) |
| 従業員数 | 連結272名、単体170名(2026年3月31日時点) |
| 上場市場 | 東証グロース(証券コード2158) |
| 売上高 | 76億4,336万円(2026年3月期・連結) |
| 事業 | ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(リーガルテックAI、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障)、DX |
| 主な子会社 | 株式会社アルネッツ、FRONTEO Korea, Inc. ほか |
| 許認可 | 第一種医療機器製造販売業許可(2021年1月)、管理医療機器販売業届出(2021年9月) |
▶ 出典:有価証券報告書(2026年3月期)/EDINET DB/決算短信
【要注意】情報の食い違い
情報源ごとに、会社の情報を照らし合わせました。古くなった情報や、確認できなかった項目があります。
| 項目 | 情報源と記載内容 | 編集部の見方 |
|---|---|---|
| 海外拠点 | 当サイト旧版:日本・米国・韓国・台湾で事業展開 開示:台湾は2025年1月に閉鎖、米国のeディスカバリ事業は2025年3月に撤退 | 旧版の情報は古い。現在の子会社は韓国など |
| 上場 | 当サイト旧版:東証グロース上場(2007年) 沿革:2007年はマザーズ上場、2022年にグロースへ移行 | 表記を訂正 |
| 従業員数・資本金 | 当サイト旧版:206名、8億9,917万円(2025年3月) 有価証券報告書:連結272名、9億1,505万円(2026年3月) | 最新の数字に更新 |
| 「日本でここしかできない」 | 当サイト旧版:社員口コミを根拠に国内随一と記載 | 口コミは個人の見方。eディスカバリやフォレンジックを扱う会社はほかにもあるため削除 |
| 平均年収 | 転職会議:591万円(平均33.3歳) 有価証券報告書:906万円(単体、平均43.8歳) | 対象と年齢層が違う。口コミの回答者は若い層が中心 |
特に海外の拠点は、旧版の記載から大きく変わりました。米国の訴訟対応を前提に検討している場合は注意してください。
▶ 出典:EDINET DB(沿革)/適時開示(2025年2月14日)/EDINET DB(有価証券報告書)/転職会議
口コミデータの全体像
2026年10月12日時点で、社員の口コミを確認しました。
| 情報源 | 評価 | 件数・補足 |
|---|---|---|
| 転職会議 | 2.62 | 214件。平均年収591万円(平均33.3歳)、残業月33.1時間、有給消化率70.4% |
| キャリコネ・OpenWork | — | 今回はページを確認できなかったため、数値は載せていない |
有価証券報告書では、単体の平均年間給与は約906万円、平均勤続年数は4.1年です。勤続年数は短めで、人の入れ替わりが多いことがうかがえます。
口コミを読むときの3つの注意点
1. UBIC時代の口コミと分ける
2016年までの旧社名の時代の投稿も含まれます。米国事業から撤退した2025年以降とは、事業の中身が大きく違います。
2. 事業ごとに状況が違う
リーガルテックは売上が減り、AI創薬は伸びています。同じ会社でも部門で働き方や見通しが違うと考えて読みましょう。
3. 発注者の評価とは別に読む
社員の口コミは働く環境の話です。調査の品質は、導入事例や担当者との面談で確かめてください。
FRONTEOの良い口コミ
仕事の専門性と、得られる経験を評価する声があります。
転職会議の口コミの要約では、リーガルやセキュリティの仕事にやりがいがあるという声や、eディスカバリの部門で、他社では得にくい経験ができるという声が挙がっています。
顧客が困っている場面で頼られる仕事のため、感謝されやすいという意見や、若手でもマネジメントの力を身につけやすいという評価もありました。
▶ 出典:転職会議
FRONTEOの気になる口コミ
売上目標の高さと、評価の基準について指摘があります。
転職会議の要約では、売上目標が高く、昔からのやり方が続いているため、納得して働いている人は少ないという声があります。賞与や昇給の評価基準を指摘する声もありました。
経営面では、2024年に米国子会社に関わる減損で大きな赤字を出し、借入の条件に抵触する見込みと開示しました。その後に米国事業から撤退しており、組織の入れ替わりが続いた時期です。
編集部コメント
社員の不満は、目標の高さと評価の分かりにくさに集まっています。発注者にとっては、担当チームの人数と経験年数を確かめておくことが大切です。2026年10月12日時点で、有価証券報告書に重要な訴訟や行政処分の記載は、編集部が確認した範囲では見当たりませんでした。
▶ 出典:転職会議/適時開示(2024年5月2日)
口コミを面接の質問に変える方法
気になった口コミは、そのまま面接での質問に変えられます。
| 口コミで見た内容 | 面接で聞くこと |
|---|---|
| 売上目標が高い | 配属予定の部門の売上目標と、昨年度の達成率を教えてください |
| 評価の基準が分かりにくい | 賞与と昇給は、どの指標でどう決まりますか |
| eディスカバリで経験が積める | 米国事業からの撤退後、国内のeディスカバリ案件はどれくらいありますか |
| 平均勤続年数4.1年 | 直近1年の入社と退職の人数を教えてください |
| 残業は月33時間前後 | 配属先の繁忙期と、その時期の残業時間を教えてください |
答えが具体的な数字で返ってくるかどうかも、判断材料の1つになります。
調査を発注する企業の視点で読み替えると
開示情報と口コミは、調査やAIの導入を頼む側にとっての確認点にも読み替えられます。
| 開示・口コミの内容 | 発注者にとっての意味 |
|---|---|
| 米国のeディスカバリ事業から撤退 | 米国の訴訟は、現地の作業を担う会社と体制を確認する |
| 台湾の子会社を閉鎖 | 中国語の資料の調査は、誰がどこで対応するかを聞く |
| 相談は1〜2時間程度まで無料 | 初回の相談で、見積もりの計算方法まで出してもらう |
| 対応は平日9時〜18時と掲載 | 不正の発覚直後など、緊急時に連絡がつくかを確認する |
| 平均勤続年数4.1年 | 担当者が途中で替わった場合の引き継ぎ方法を確認する |
調査では社内の機密情報を預けることになります。データの保管場所と、調査後の削除の方法を契約の前に書面で確認しましょう。
▶ 出典:デジタルフォレンジック調査企業一覧(FRONTEOの掲載情報)/適時開示(2025年2月14日)
FRONTEOについてよくある質問
- FRONTEOはどんな会社ですか?
-
2003年8月に設立された、自然言語処理AIを使ったデータ解析の会社です。旧社名はUBICで、2016年7月に現在の社名になりました。東証グロースに上場しており、本社は東京都港区港南です。自社開発のAIエンジンKIBITを使い、訴訟対応や不正調査、AI創薬、経済安全保障の調査などを手がけています。
- FRONTEOは米国から撤退したのですか?
-
米国子会社FRONTEO USAのeディスカバリ支援事業から、2025年3月31日付で撤退しました。米国の法律事務所が証拠開示の作業を内製化し、新しい案件を獲得できなくなったことが理由です。台湾の子会社も2025年1月に閉鎖しています。国内のリーガルテック事業には影響しないと会社は説明しています。
- FRONTEOの業績は伸びていますか?
-
2026年3月期の連結売上高は76億4,300万円で、前期より25.3%増えました。営業利益は7億3,900万円です。ただし、増収の多くはAI創薬と、2025年4月に買収したアルネッツのDX事業によるものです。2027年3月期は、営業利益が3億円と約59%減る見通しです。
- FRONTEOのeディスカバリや不正調査の費用は?
-
公開されている定額料金はありません。デジタルフォレンジック調査会社の一覧サイトでは、1〜2時間程度の相談は無料で、それ以上は見積もりと交渉で決めると掲載されています。費用は対象の機器の台数や容量、調査の内容で変わります。対応は平日9時〜18時と掲載されているため、緊急時の対応も確認しましょう。
- FRONTEOのAI医療機器は承認されていますか?
-
FRONTEOは2021年1月に第一種医療機器製造販売業の許可を取得しています。塩野義製薬と開発中の会話型の認知機能検査用AIプログラムは、2025年2月の報道では2026年度の承認を目指している段階でした。最新の承認状況は会社の開示で確認してください。
- FRONTEOの社員の評判はどうですか?
-
転職会議の総合評価は2.62(口コミ214件)で、平均年収は591万円(平均33.3歳)、残業は月33.1時間でした。AIやeディスカバリの経験が積めるという声がある一方、売上目標の高さを指摘する声があります。有価証券報告書では、単体の平均年間給与は約906万円(平均43.8歳)です。
まとめ
株式会社FRONTEOは、自社開発のAIエンジンKIBITを使って、不正調査や証拠開示、AI創薬などを手がける東証グロース上場の会社です。2026年3月期は増収増益でした。
一方で、米国のeディスカバリ事業から撤退し、リーガルテックの売上は約4割減っています。増収の多くは買収したDX事業とAI創薬によるものです。発注する側は頼みたい業務の体制を、応募する人は配属先の事業の見通しを、それぞれ確かめてください。
掲載内容は調査時点のものです。最新の情報は公式サイトと適時開示でご確認ください。
この記事について
調査日:2026年10月12日
確認した情報源:FRONTEOの決算短信(2026年3月期)、有価証券報告書(2026年3月期)、適時開示(2024年5月・2025年2月・2025年4月)、事業計画及び成長可能性に関する事項、EDINET DB、デジタルフォレンジック調査企業一覧、日刊薬業、口コミ媒体(転職会議)
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