大和財託の評判は?固定残業45時間と賞与前払いの月給を検証【2026年】

大和財託株式会社について、公式サイトの会社情報・代表ブログ・採用情報、国税庁の法人番号の記録、gBizINFO、求人媒体、口コミ媒体を確認しました。調べて分かったことを、先に3つだけお伝えします。

どんな会社?
2013年設立の不動産投資・賃貸管理会社です。第13期の売上高367億円・経常利益33億円、運用資産662億円、管理戸数11,611戸。東京・大阪本社と9支店です。

評価できる点は?
第1期から13期分の売上高・経常利益・運用資産総額を公式サイトで公開。免許・登録も網羅的に開示。非上場としては高い開示水準です。

注意点は?
純資産・自己資本比率・有利子負債は非開示。入居率の算出根拠もありません。上場方針は3回変わり、現在は「上場は今後もないと思う」とされています。

目次

大和財託が向いている人・合わない人

検討が向いています

  • 一棟物件を自社一貫で任せたい方
  • 関西・関東以外の支店圏の方
  • 財務を公開する会社を選びたい方

検討は要注意

  • 自己資本比率で相手を選ぶ方
  • 上場企業に限定したい方
  • 残業を抑えて働きたい応募者

相談・応募の前に確かめたい3つのこと

  1. 直近の決算の純資産額と自己資本比率(官報の決算公告で確認できます)
  2. 入居率98.66%の分母の定義と、募集中の新築を含むかどうか
  3. (応募の場合)基本給の額と、固定残業代の算定基礎に含まれる手当

そのまま使える質問の文例は、記事の後半にまとめています。

大和財託の総合評価

公式サイトの会社情報、代表ブログ、法人登記の記録、求人媒体、口コミ媒体をもとに、5つの観点で評価しました。

評価項目スコア編集部の補足
財務の開示★★★★★第1期から13期分の売上高・経常利益・運用資産総額を公開。官報に第12期・第13期の決算公告も掲載。非上場の不動産会社としては高い水準です
免許・許認可の開示★★★★★宅建業免許3つ、建設業許可2つ、賃貸住宅管理業2つ、マンション管理業、不動産特定共同事業、一般不動産投資顧問業、第二種金融商品取引業を番号付きで公開
拠点・体制の開示★★★★☆東京・大阪本社と9支店の住所・電話・FAXを公開。グループ4社も明示。ただし従業員数の公式記載は見当たりませんでした
訴求数値の裏づけ★★★☆☆入居率98.66%・家賃回収率99.58%・管理戸数11,611戸を時点付きで公開。ただし算出方法(分母の定義)の注記はありません
労働環境★★☆☆☆口コミ集計の月間平均残業は50.5時間と32.4時間で媒体差が大きい。有給消化率64%、平均継続勤務年数4.0年。総合職は火・水・土・日のシフト制
総合評価★★★★☆ 3.8情報開示の水準は高く、一方で財務の健全性を判断する指標は非開示です/2026年10月22日確認

この会社は開示している情報の量が多く、その点は率直に評価できます。ただし開示されていない項目にも意味があります。とくに運用資産662億円に対する純資産・自己資本比率・有利子負債が公開されていない点は、物件を購入する側が知りたい情報です。

編集部総評

大和財託株式会社は2013年7月1日に大阪で設立された不動産投資・賃貸管理会社です。資本金1億円、決算月8月、代表取締役CEOは藤原正明氏。東京本社(渋谷アクシュ22階)と大阪本社(グランフロント大阪タワーB 35階)に加え、名古屋支社と福岡・仙台・横浜・千葉・大宮・神戸・京都・岡山の8支店があります。

まず、本記事で訂正・更新した点を4つ書きます。

① 会社概要が不完全でした。既存の記事は拠点を東京・大阪の2本社のみ、関連会社を2社としていましたが、公式サイトの記載は11拠点・グループ4社(大和財託リーシング、大和財託レジデンシャル、大和財託建設、有限会社須賀谷温泉)です。また免許・許認可の番号が1つも記載されていませんでした。不動産会社の記事で免許番号がないのは重大な欠落なので、本記事では全件を掲載しました。

② 入居率の数値が1年半前のものでした。既存の記事は「入居率99.39%、家賃回収率99.69%(2025年4月末時点)」としていましたが、公式サイトの最新値は入居率98.66%、家賃回収率99.58%、管理戸数11,611戸で、いずれも2026年9月末時点です。入居率は99.39%から98.66%へ下がっています。既存の記事の「入居率99%以上」という表現も、最新値では成り立ちません。

③ 新卒の初任給が引き上げられていました。既存の記事は総合職の月給を東京342,000円・大阪312,000円としていましたが、新卒採用情報の現在の金額は東京367,500円・大阪337,500円(理論年収576万円・540万円)です。月25,500円、年収で40万円の引き上げです。

④ 試用期間と定年の記載が求人票と食い違っていました。既存の記事は試用期間3か月・定年60歳としていましたが、確認できた求人票では試用期間はいずれも6か月でした。定年については「60歳(再雇用制度あり)」と「65歳(再雇用制度あり)」の両方の記載が媒体に存在し、どちらが現行かを確定できませんでした。本記事では両方を併記しています。

なお新卒の月給の内訳も公開されていました。東京勤務は基本給251,010円+固定残業代86,490円(45時間分)+地域手当30,000円です。固定残業代の金額は、基本給を基礎とした割増賃金として整合しています(基本給251,010円÷月平均所定163.3時間×1.25×45時間≒86,450円)。固定残業代の額が時間数に見合っていない求人も少なくないため、この点は評価できます。一方で東京勤務の地域手当30,000円は算定基礎に含まれていない計算になるため、その扱いは確認する価値があります。既存記事の内訳にあった「賞与前払手当」は、現行の求人票に存在しません。

ここからは、調べて評価できると感じた点です。

この会社は財務情報を13期分公開しています。公式サイトの会社情報に、第1期(売上高7億36百万円)から第13期(2025年8月期・売上高367億18百万円、経常利益33億29百万円、運用資産総額662億10百万円)までの推移が載っています。非上場の不動産会社でここまで出している例は多くありません。さらに官報に第12期と第13期の決算公告が掲載されており、資本金1億円の会社に課される公告義務を履行しています。

免許・登録の開示も網羅的です。宅地建物取引業免許が国土交通大臣(2)第9583号、建設業許可が国土交通大臣許可(特-7)第27972号、賃貸住宅管理業者登録、マンション管理業者登録、不動産特定共同事業許可(大阪府知事第12号)、一般不動産投資顧問業(一般-第1323号)、第二種金融商品取引業まで番号付きで掲載されています。

一方で、開示されていない項目にも意味があります。純資産・自己資本比率・有利子負債の額が公開されていません。運用資産総額662億円という数字は資産の側だけで、それをどれだけ借入で賄っているかが分かりません。不動産を購入する相手の財務の健全性を見るなら、官報の決算公告で純資産額を確認することをおすすめします。入居率についても分母の定義(管理戸数か稼働可能戸数か、募集中の新築を含むか)の注記がありません。

上場についての経緯も確認しました。代表の藤原氏は自身のブログで上場方針が3回変わった経緯を公開しています。2018年から2020年にかけて東証マザーズ(当時)を目指し、申請期まで到達して証券審査の最終段階まで進みましたが、想定時価総額が見込みを大きく下回ったため2020年5月に無期限凍結。2022年6月に再度目指すと表明し、同年11月にTOKYO PRO Marketの審査過程で代表のSNS発信を問題視され、SNSをやめるか上場をやめるかの二択で後者を選んだとして再び中止しています。同記事では「上場は今後もないと思う」とされています。判断の変遷をここまで公開している経営者は多くありません。透明性としては評価できます。

労働環境については媒体差が大きく出ました。月間平均残業時間が、ある口コミ媒体で50.5時間、別の媒体で32.4時間。総合評価も3.34と4.19で開いています。いずれも自己申告で回答者数も多くないため、幅を持って読む必要があります。公的データベースの職場情報では正社員の平均継続勤務年数が男性4.0年・女性4.0年、女性労働者の割合が50.0%と記録されています。

なお既存の記事に掲載されていたオーナーの声3件は、出典を確認できなかったため本記事では削除しました。

この記事は不動産投資の勧誘ではありません。判断材料として事実を整理したものです。

【評価できる点】財務情報を13期分公開しています

公式サイトの会社情報に、第1期から第13期までの業績が掲載されています。単位は百万円、関係会社間の取引を相殺消去した連結ベースと注記されています。

期売上高経常利益運用資産総額
第1期7367328
第3期1,983753,515
第5期(3か月)35674,772
第7期3,65831510,108
第9期6,07855918,289
第10期10,35084723,410
第11期15,5041,22035,875
第12期22,0461,80348,330
第13期(2025年8月)36,7183,32966,210

第13期はグループの売上高367億18百万円、経常利益33億29百万円、運用資産総額662億10百万円、EBITDA40億18百万円。第10期(103億50百万円)から3年で売上高が約3.5倍になっています。

なお第5期は決算期変更のため3か月間の数値です。第1期から第13期まで連続して増収増益という推移になっています(第5期を除く)。

官報の決算公告も確認できました。第12期が2024年12月6日、第13期が2025年12月11日に掲載されています。資本金1億円の株式会社には貸借対照表の公告義務があり、これを履行している会社は中小企業では多くありません。

【要注意】公開されていない指標があります

項目状況
売上高・経常利益・運用資産総額13期分を公開
EBITDA第13期のみ公開(算出方法の記載なし)
純資産・自己資本比率公式サイトに記載なし
有利子負債の額公式サイトに記載なし
営業利益第13期は代表ブログに36億55百万円と記載(会社情報の表には掲載なし)

運用資産総額662億円という数字は資産の側だけを示しています。それをどれだけ自己資本で賄い、どれだけ借入に依存しているかは公開情報からは分かりません。

不動産を購入する相手の財務の健全性を見るなら、官報の決算公告で純資産額を確認するのが確実です。gBizINFOに第12期・第13期の公告日が記録されているので、官報情報検索サービスで該当日を照会できます。

なお代表ブログの第13期の数値(売上高360.1億円、経常利益31.05億円)と、会社情報の表の数値(367億18百万円、33億29百万円)には差があります。会社情報の表が連結ベースと注記されているため、単体と連結の違いと考えられますが、ブログ側にその注記はありません。

出典:公式サイト(会社情報)・公式サイト(代表ブログ 第13期を終えて)・gBizINFO(決算公告の記録)

【検証】上場の方針は3回変わっています

大和財託は非上場です。代表の藤原正明氏は自身のブログで、その経緯を公開しています。

時期内容
2018年〜2020年東証マザーズ(当時)への上場を目指す。SBI証券と監査法人の体制で準備。申請期まで到達し、事前の東証審査もクリア、証券審査の最終段階まで進んだ
2019年秋証券審査前に上場時期を延期。延期後の目標は2022年8月期中
2020年5月「IPO準備を無期限で凍結します」。理由は、証券会社から示された想定時価総額が見込みを大きく下回ったこと。不動産業・建設業はバリュエーションが低く、当時の利益規模では時価総額40億円程度にとどまる見込みだった
2022年6月「再度上場を目指します」。目的は株価ではなく「公器の会社」としての信用力向上
2022年11月「再びIPO辞めます」。TOKYO PRO Marketを目指していたが、審査の過程で代表のSNS発信が上場会社の社長にふさわしくないと指摘され、SNSをやめるか上場をやめるかの二択で後者を選んだと記載。同記事では「上場は今後もないと思う」とされている

2025年9月の第13期の振り返り記事には上場に関する記載がありません。

判断の変遷をここまで公開している経営者は多くありません。上場を目指すと言って静かに取り下げる会社のほうが一般的です。この点は透明性として評価できます。

一方で発注側・応募側として押さえておきたいのは、現在は非上場であり、有価証券報告書による継続的な開示義務がないということです。したがって財務情報は公式サイトの開示と官報の決算公告に依存します。

なお長期目標として、2029年に売上1,000億円・経常利益100億円、2040年に売上1兆円・経常利益1,000億円が掲げられています。

出典:公式サイト(代表ブログ IPO準備を無期限で凍結します)・公式サイト(代表ブログ 再度上場を目指します)・公式サイト(代表ブログ 再びIPO辞めます)・公式サイト(代表ブログ 第13期を終えて)

大和財託とはどんな会社?

基本情報

項目内容
会社名大和財託株式会社
法人番号2120001178193
設立平成25年(2013年)7月1日(大阪で設立)
資本金1億円(2015年1月に2,000万円、その後3,000万円、2016年8月に1億円へ増資)
決算月8月
代表者代表取締役CEO 藤原 正明
役員専務取締役 事業本部長兼建築本部長 橋本 雄一郎/取締役 管理本部長 寺川 剛史/監査役 福元 好
登記上の本店大阪府大阪市北区大深町3番1号(2023年3月1日に所在地変更登記) ※公式サイトは東京・大阪を並列で「本社」と表記しています
東京本社〒150-0002 東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号 渋谷アクシュ22階/TEL 03-6805-0325
大阪本社〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB 35階/TEL 06-6147-4104
名古屋支社愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 JRセントラルタワーズ49階/TEL 052-446-5200
支店福岡・仙台・横浜・千葉・大宮・神戸・京都・岡山の8支店(住所・電話は公式サイトに掲載)
従業員数公式サイトに記載を確認できませんでした。求人媒体は409人(平均年齢35.3歳)および244名(平均年齢34.9歳)、新卒採用情報は237人、社会保険の被保険者数は387人(集計時点と対象範囲が異なるため差があります)
代表者の経歴昭和55年生まれ、岩手県出身、岩手大学工学部卒。三井不動産レジデンシャルで分譲マンション開発に従事し、その後関東圏の不動産会社で収益不動産の売買仲介・賃貸管理を経験。2013年に同社を設立(著書の著者プロフィールより)
代表者の著書『中小企業経営者こそ収益不動産に投資しなさい』(ダイヤモンド社・2020年5月)/『不動産投資の成功法則』(クロスメディア・パブリッシング・2025年6月13日/2021年刊行版の改訂)
受付時間10:00〜18:00(水曜定休)
上場区分非上場
公式サイトyamatozaitaku.com

免許・許認可(既存記事に記載がなかったため全件を掲載します)

種別番号
宅地建物取引業免許国土交通大臣(2)第9583号(大和財託)
宅地建物取引業免許国土交通大臣(2)第9954号(大和財託リーシング)
宅地建物取引業免許国土交通大臣(1)第10427号(大和財託レジデンシャル)
建設業許可国土交通大臣 許可(特-7)第27972号(大和財託)
建設業許可国土交通大臣 許可(特-8)第29992号(大和財託建設)
一級建築士事務所登録東京都知事登録 第63999号/大阪府知事登録(ロ)第25280号
賃貸住宅管理業者登録国土交通大臣(02)第007198号(大和財託)/同(02)第007196号(大和財託リーシング)
マンション管理業者登録国土交通大臣(2)第064468号
不動産特定共同事業許可大阪府知事 第12号
一般不動産投資顧問業一般-第1323号
第二種金融商品取引業2021年6月登録(番号は公式サイトに記載なし)
加盟団体公益社団法人全日本不動産協会/公益社団法人不動産保証協会

宅地建物取引業免許の括弧内の数字は更新回数を示します。大和財託は(2)なので、現在が2回目の免許期間(通算5〜10年)です。

これは業歴が短いということではありません。2019年7月に大阪府知事免許から国土交通大臣免許へ切り替えており、大臣免許としての通算が(2)になっています。2019年5月に東京コンサルティングオフィスを開設したことに伴う変更で、同社がプレスリリースで公表しています。宅建業そのものは2013年の設立時から営んでいます。

なお求人媒体の企業情報には旧免許番号「大阪府知事(2)第57198号」が残っているものがあります。知事免許の時代にも1回更新を経ていたことが読み取れ、通算の業歴と整合します。

一般不動産投資顧問業については、国土交通省の登録簿で登録が令和元年(2019年)9月9日、更新が令和6年(2024年)8月19日と確認できました。

建設業許可が「特定建設業」であることも押さえておく価値があります。特定建設業は下請に一定額以上を発注できる区分で、一般建設業より財産的基礎などの要件が厳しくなります。2018年11月に取得したと沿革に記載されています。

出典:公式サイト(会社情報)・プレスリリース(国土交通大臣免許取得のお知らせ)

グループ構成

会社名事業子会社化・設立
大和財託リーシング株式会社賃貸仲介事業—
大和財託レジデンシャル株式会社実需事業—
大和財託建設株式会社建設事業既存記事に記載がありませんでした
有限会社須賀谷温泉ホテル事業2024年9月に完全子会社化。既存記事に記載がありませんでした

ホテル事業への進出は、既存の記事では触れられていませんでした。公式サイトの事業内容にも「ホテル等商業施設及び介護・障がい者福祉施設の企画・運営・管理」が含まれています。

沿革では、2023年6月に名古屋支店を開設(2024年11月に支社へ昇格)、2024年10月に福岡支店、2026年1月に仙台支店、2026年3月に岡山支店を開設。2026年5月に賃貸管理戸数が10,000戸を突破したとされています。ここ3年で拠点が急速に増えています。

取引銀行は、りそな銀行、関西みらい銀行、埼玉りそな銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、紀陽銀行、武蔵野銀行、きらぼし銀行、静岡銀行、京葉銀行、千葉銀行、西京銀行、スルガ銀行、SBJ銀行、大阪商工信用金庫、大阪厚生信用金庫その他と記載されています。

また、ホワイト財団の「ホワイト企業認定」を2023年に「ゴールド」、2024年8月に「プラチナ」で取得し、2026年7月に3年連続で取得したと記載されています。

社員数の推移も確認できました。同社のプレスリリースによると2018年9月時点で40名、2019年1月時点で45名。現在は求人媒体の企業情報で409人とされています。7年で約9倍という増え方です。後述する平均継続勤務年数4.0年という数値は、この急拡大を踏まえて読む必要があります。急成長企業では新しく入った社員の比率が高くなるため、平均勤続年数は構造的に短く出ます。

出典:公式サイト(会社情報・沿革)・gBizINFO・企業情報データベース

【更新】入居率・管理戸数の数値

項目既存記事の数値公式サイトの最新値
入居率99.39%(2025年4月末時点)98.66%(2026年9月末時点)
家賃回収率99.69%(2025年4月末時点)99.58%(2026年9月末時点)
管理戸数記載なし11,611戸(2026年9月末時点)

入居率は99.39%から98.66%へ下がっています。既存の記事の「入居率99%以上」という表現も、最新値では成り立ちません。本記事で更新しました。

ただし公平に書いておきます。98.66%という入居率は、賃貸管理業として低い数字ではありません。管理戸数が2年半で急増(2026年5月に10,000戸突破、2026年9月末で11,611戸)していることを踏まえると、新規に組み入れた物件の募集期間が含まれれば入居率は一時的に下がります。

【要注意】算出根拠の記載がありません

入居率の分母の定義が公式サイトに記載されていません。入居率は次のどちらで計算するかで数字が変わります。

  • 分母を管理戸数とする(募集中の新築や改装中の部屋も含む)→ 数字は低く出ます
  • 分母を稼働可能戸数とする(募集中の新築や改装中を除く)→ 数字は高く出ます

どちらが正しいという話ではなく、定義が示されていないと他社と比べられません。相談の際は分母の定義を確認してください。家賃回収率についても同様です。

なお数値に「2026年9月末時点」という時点が明記されている点は評価できます。時点を書かずに「入居率99%」とだけ掲げる業者と比べると、検証しやすくなっています。

出典:公式サイト(会社情報)

【更新】採用条件

新卒の初任給は引き上げられています

区分勤務地月給理論年収
総合職東京367,500円5,760,000円
総合職大阪337,500円5,400,000円
建築技術職(学士・修士・博士)東京367,500円5,760,000円
建築技術職(学士・修士・博士)大阪・名古屋337,500円5,400,000円
建築技術職(高専卒・専門卒)東京315,000円4,680,000円
建築技術職(高専卒・専門卒)大阪・名古屋285,000円4,320,000円

既存の記事は総合職の月給を東京342,000円・大阪312,000円としていましたが、これは引き上げ前の金額でした。月25,500円、年収で40万円の引き上げです。本記事で更新しました。

東京と大阪・名古屋の差は地域手当30,000円によるものです。

月給の内訳も公開されています

項目東京勤務大阪勤務
基本給251,010円251,010円
固定残業代(45時間分)86,490円86,490円
地域手当30,000円なし
月給合計367,500円337,500円
賞与・インセンティブいずれも年2回いずれも年2回

既存の記事に掲載されていた内訳(基本給204,600円+固定残業代70,515円+賞与前払手当36,885円+地域手当30,000円)は引き上げ前のものです。現行の求人票に「賞与前払手当」という項目は存在しません。旧制度の基本給204,600円と賞与前払手当36,885円を合わせた241,485円が現行の基本給251,010円へ統合された形と読めますが、公式の説明は確認できませんでした。

なお転職メディアの記事には、2024年9月に全社員を対象とした平均10%の賃上げを発表したという記述がありました。ただし公式のプレスリリース原文は確認できていません。

勤務条件

項目内容
勤務時間9:00〜18:00(休憩60分)=実働8時間
年間休日120日
休日(総合職)完全週休2日制(火・水・土・日のシフト制)
休日(建築技術職)完全週休2日制(土日祝・会社カレンダーあり)
残業固定残業制(45時間)。超過分は別途支給と記載
月給の内訳基本給251,010円+固定残業代86,490円+地域手当30,000円(東京勤務)
賞与年2回
昇給年1回(優秀な成果の場合は年2回の機会があると記載)
諸手当家賃手当20,000円/月(規定あり)、宅建資格手当5,000円/月
定年媒体により「60歳(再雇用制度あり)」と「65歳(再雇用制度あり)」の両方の記載があり、確定できませんでした
試用期間確認できた求人票はいずれも6か月(期間中も待遇に変動なしと記載)。既存記事の「3か月」とは一致しません

総合職の休日が「火・水・土・日のシフト制」である点は、応募の際に確認する価値があります。完全週休2日ではありますが、土日が固定で休みになるとは限りません。不動産業は水曜定休が多く、公式サイトの受付時間も「水曜定休」と記載されています。建築技術職は土日祝です。

中途採用については、営業職で月給352,000〜624,000円(固定残業代73,440〜135,090円/45時間分、超過分は別途支給)という求人票を確認しました。別の媒体では設計・施工管理系で予定年収655万〜1,005万円、基本給264,000〜400,000円+その他固定手当55,010〜87,165円+固定残業手当90,990〜137,835円という内訳も公開されています。中途の求人では基本給と固定手当を分けて明示している点は評価できます。

出典:新卒採用情報(総合資格navi)・公式サイト(総合職の募集)・求人媒体(中途・営業)・求人媒体(doda)

固定残業代45時間と残業の実態

固定残業制45時間について、2点を整理しておきます。

1つめ。労働基準法36条が定める時間外労働の限度時間は、原則で月45時間・年360時間です。

項目数値
36協定の限度時間(原則)月45時間/年360時間
固定残業代の対象時間月45時間
45時間×12か月540時間
年360時間との差180時間の超過

毎月45時間をフルに残業すると年間の限度時間を超えます。特別条項付きの36協定がなければ、法律上そこまで働かせることはできません(特別条項があっても年720時間以内、月45時間超は年6回までなどの制約があります)。固定残業代45時間という設計は、原則上限いっぱいを毎月の想定に組み込んだものです。

2つめ。口コミ媒体が集計した月間平均残業時間は、媒体によって大きく違います。

媒体月間平均残業時間有給消化率
ある口コミ媒体50.5時間64.4%
別の口コミ媒体32.4時間64%

一方の媒体の50.5時間は、固定残業代の対象である45時間を上回ります。超過分は別途支給と記載されているため、支給されていれば問題は生じません。ただし実態として45時間を超える月があるなら、超過分の計算方法と支給の有無は確認すべき項目です。

いずれの数値も投稿者の自己申告で、回答者数も多くありません。幅を持って読んでください。

【検算】固定残業代の金額は整合しています

内訳が公開されているので検算しました。所定労働時間は実働8時間、年間休日120日なので、年間所定労働日数245日、年間所定労働時間1,960時間、月平均所定労働時間は約163.3時間です。

手順計算結果
① 基本給の時間単価251,010円 ÷ 163.3時間約1,537円
② 割増後の単価1,537円 × 1.25約1,921円
③ 45時間分1,921円 × 45時間約86,450円
実際の固定残業代—86,490円

ほぼ一致します。固定残業代45時間分の金額は、基本給を基礎とした割増賃金として整合しています。固定残業代の額が時間数に見合っていない求人も少なくないため、この点は評価できます。

最低賃金についても問題ありません。基本給251,010円を163.3時間で割ると約1,537円で、東京都の最低賃金1,280円(2026年10月1日発効)を上回ります。

【確認したいこと】東京勤務の地域手当の扱い

1点だけ、確認する価値のある箇所があります。

上の検算のとおり、固定残業代86,490円は基本給251,010円のみを基礎として計算されています。東京勤務でも大阪勤務でも固定残業代は同額86,490円なので、東京勤務の地域手当30,000円は算定基礎に含まれていない計算になります。

割増賃金の計算の基礎から除外できる賃金は、労働基準法施行規則21条で7種類に限定されています。家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金です。地域手当はこの7種類に含まれません。

仮に地域手当を基礎に含めて計算すると、(251,010円+30,000円)÷163.3時間=約1,721円、割増後2,151円、45時間分で約96,800円。実際の86,490円との差は約10,300円という計算になります。

ただし断定はできません。地域手当の性質(住宅手当に相当するものとして扱われているかなど)や月平均所定労働時間の正確な値によって結果は変わります。また超過分は別途支給と明記されているため、実際の残業時間と精算方法次第では差額の問題は生じません。応募の際は、固定残業代の算定基礎に地域手当が含まれるかを書面で確認してください。

口コミデータの全体像

媒体によって評価が大きく違います

媒体総合評価件数実質の回答者数
社員口コミ媒体A3.34カテゴリ別44件12人
社員口コミ媒体B4.19179件うち74件は面接・選考の情報
就活生向け媒体社員4.2/学生3.0126件社員の口コミは媒体Bからの転載

同じ会社の総合評価が3.34と4.19に分かれています。どちらが嘘ということではなく、母集団が違います。

媒体Aは回答者12人でカテゴリ別の表示が44件。1人が複数のカテゴリに投稿する方式なので、表示件数と回答者数は別です。媒体Bは179件のうち74件(41%)が面接・選考の情報で、労働条件に関する投稿は105件。就活生向け媒体の社員口コミは媒体Bからの転載と明記されています。

媒体Aの項目別では、「人材の長期育成」が2.6で最も低く、「社員の士気」「20代成長環境」「人事評価の適正感」が3.7で最も高い結果でした。急成長企業で、若手に機会は多いが育成の体系は追いついていないという形の評価です。

また媒体Aで属性が表示されていた5件は、全員が「在籍3年未満」かつ「退社済み」、全員が中途入社でした。5件しか確認できていないため偏りの程度は判断できませんが、公的データベースの職場情報に記録された平均継続勤務年数が男性4.0年・女性4.0年であることとは整合します。

なお同じ職場情報では労働者に占める女性労働者の割合が50.0%と記録されています。

出典:社員口コミ媒体A・社員口コミ媒体B・就活生向け媒体・gBizINFO(職場情報)

顧客側の評判について

公式サイトには顧客の声のコーナーがあり、全28ページにわたって掲載されています。掲載形式は「掲載日/居住地/職業/年代」です。

既存の記事に掲載されていたオーナーの声3件(東京都50代会社員、大阪府1棟アパート、兵庫県50代会社員)については、1ページ目18件を照合した範囲で該当するものを確認できませんでした。残りの27ページは照合できていないため、過去の掲載分に存在する可能性は残ります。ただし該当ページを特定できなかったため、本記事では掲載を見送りました。

Googleマップの口コミ件数・評点は取得できませんでした。

なお「大和財託 怪しい」といった検索語に対応する記事が多数存在します。ただし確認した範囲では、いずれも不動産会社や送客を目的とするメディアが運営するもので、独立した取材や実際の発注体験に基づくレビューは確認できませんでした。同じ疑問形のタイトルが並ぶのは、その検索語を狙った記事が量産されているためと考えられます。本記事ではこれらを評判の出典として使用していません。

行政処分・訴訟について

照会先結果
国土交通省 ネガティブ情報等検索システム照会できませんでした(検索フォームが送信方式のため直接照会不可。対象は5年分)
東京都・大阪府の宅地建物取引業者に対する監督処分の公表照会できませんでした
消費者庁 措置命令・行政処分の公表検索では発見できませんでした
厚生労働省・東京労働局・大阪労働局 労働基準関係法令違反の公表事案検索では発見できませんでした
官報(破産・特別清算)検索では発見できませんでした。登記記録の閉鎖等の記載はなく法人は存続中
官報(決算公告)第12期(2024年12月6日)・第13期(2025年12月11日)の掲載を確認
報道された訴訟・労働紛争検索では発見できませんでした
EDINET提出書類なし(非上場)

いずれも「該当なし」と断定できる確認ではありません。とくに宅地建物取引業者の監督処分については、国土交通省のネガティブ情報等検索システムと、東京都・大阪府の公表一覧を照会できていません。

不動産会社と取引する前には、これらを自分で照会することをおすすめします。免許番号(国土交通大臣(2)第9583号)で検索できます。また国土交通省のシステムは直近5年分のみが対象であることも押さえておいてください。

なお公的データベースでは、届出・認定0件、補助金交付0件、調達0件、表彰0件、商標12件と記録されています。

出典:国土交通省 ネガティブ情報等検索システム・不動産ジャパン(行政処分情報の案内)・gBizINFO

編集部コメント

大和財託について整理したことは4つです。

1つめが既存記事の会社概要が不完全だったことです。拠点は東京・大阪の2本社だけでなく名古屋支社と8支店を含む11拠点、関連会社は2社でなく4社(大和財託建設と有限会社須賀谷温泉が漏れていました)。そして免許・許認可の番号が1つも書かれていませんでした。不動産会社の記事で免許番号がないのは重大な欠落なので、本記事では宅建業免許・建設業許可・賃貸住宅管理業・マンション管理業・不動産特定共同事業・一般不動産投資顧問業・第二種金融商品取引業を全件掲載しました。

2つめが数値の更新です。入居率は99.39%(2025年4月末)から98.66%(2026年9月末)へ、家賃回収率は99.69%から99.58%へ。既存記事の「入居率99%以上」は最新値では成り立ちません。新卒の初任給は総合職東京342,000円→367,500円へ引き上げられていました。

3つめがこの会社の開示水準の高さです。公式サイトに第1期から13期分の売上高・経常利益・運用資産総額が載っています。第13期はグループ売上高367億18百万円、経常利益33億29百万円、運用資産総額662億10百万円。官報の決算公告も第12期・第13期で確認できました。非上場の不動産会社でここまで出している例は多くありません。免許の開示も網羅的です。

上場についても、代表が方針が3回変わった経緯をブログで公開しています。東証マザーズを目指して証券審査の最終段階まで進んだこと、想定時価総額が見込みを下回って2020年に凍結したこと、2022年6月に再開を表明して同年11月にTOKYO PRO Marketの審査でSNS発信を問題視され、SNSをやめるか上場をやめるかの二択で後者を選んだこと。「上場は今後もないと思う」とまで書いています。上場を目指すと言って静かに取り下げる会社のほうが一般的な中で、この透明性は評価できます。

4つめが開示されていない項目です。純資産・自己資本比率・有利子負債の額が公開されていません。運用資産総額662億円は資産の側だけの数字で、どれだけ借入に依存しているかが分かりません。物件を購入する相手の財務の健全性を見るなら、官報の決算公告で純資産額を確認してください。入居率についても分母の定義(管理戸数か稼働可能戸数か)の注記がありません。

労働環境は媒体差が大きく出ました。月間平均残業時間が一方の媒体で50.5時間、他方で32.4時間。総合評価も3.34と4.19。いずれも自己申告で回答者数も多くないため幅を持って読む必要があります。50.5時間という数値は固定残業代の対象45時間を上回ります。超過分は別途支給と明記されているので、支給されていれば問題は生じませんが、超過分の計算方法は確認すべき項目です。公的データベースの職場情報では平均継続勤務年数が男性4.0年・女性4.0年、女性労働者の割合が50.0%でした。

総合職の休日が「火・水・土・日のシフト制」である点も、応募の際には確認してください。完全週休2日ではありますが、土日が固定で休みになるとは限りません。建築技術職は土日祝です。

行政処分については、国土交通省のネガティブ情報等検索システムと、東京都・大阪府の監督処分の公表一覧を照会できていません。不動産会社と取引する前には、免許番号で自分で照会することをおすすめします。システムの対象は直近5年分です。

なお既存記事のオーナーの声3件は、出典を確認できなかったため削除しました。この記事は不動産投資の勧誘ではありません。判断材料として事実を整理したものです。

相談・応募を検討している方のための質問リスト

確認したい事実そのまま使える質問例
純資産・自己資本比率が非開示「直近の決算の純資産額と自己資本比率を教えてください」
有利子負債の額が非開示「運用資産662億円に対する有利子負債の額を教えてください」
入居率の分母が非開示「入居率98.66%の分母は管理戸数ですか、稼働可能戸数ですか」
家賃回収率の定義「家賃回収率99.58%はどの期間の集計ですか」
管理戸数が急増「直近1年で組み入れた管理戸数と、その入居率を教えてください」
サブリースか管理委託か「賃貸管理はサブリースですか、管理委託ですか。手数料率を教えてください」
建築請負と仲介の両方を手がける「物件の仕入価格と販売価格の差、建築の請負金額の内訳を教えてください」
処分歴の照会「免許番号を教えてください」(国土交通省のシステムで自分で照会できます)
(応募)東京勤務の地域手当の扱い「固定残業代の算定基礎に、地域手当30,000円は含まれますか」
(応募)試用期間「試用期間は3か月ですか6か月ですか。期間中の待遇も教えてください」
(応募)定年「定年は60歳ですか65歳ですか。再雇用の条件も教えてください」
(応募)残業の実態「直近3か月の平均残業時間と、45時間を超えた場合の精算方法を教えてください」
(応募)総合職の休日「火・水・土・日のシフト制とは、月に土日が何日休めますか」

よくある質問

大和財託は上場していますか?

非上場です。代表の藤原正明氏は自身のブログで、上場方針が3回変わった経緯を公開しています。2018年から2020年にかけて東証マザーズ(当時)への上場を目指し、申請期まで到達して証券審査の最終段階まで進みましたが、2020年5月に無期限凍結を表明しました。理由は、証券会社から示された想定時価総額が見込みを大きく下回ったことです。2022年6月に再度上場を目指すと表明しましたが、同年11月に再び中止を表明しています。TOKYO PRO Marketを目指していたものの、審査の過程で代表のSNS発信が上場会社の社長にふさわしくないと指摘され、SNSをやめるか上場をやめるかの二択で後者を選んだと書かれています。同記事では「上場は今後もないと思う」とされています。

入居率は何パーセントですか?

公式サイトの会社情報に掲載されている最新の数値は、入居率98.66%、家賃回収率99.58%、管理戸数11,611戸で、いずれも令和8年(2026年)9月末時点とされています。なお既存の記事に掲載されていた「入居率99.39%、家賃回収率99.69%」は2025年4月末時点の数値で、1年半前のものでした。本記事で更新しました。入居率は分母を管理戸数とするか稼働可能戸数とするかで数字が変わりますが、公式サイトに算出方法の注記は見当たりませんでした。

財務情報は公開されていますか?

公開されています。公式サイトの会社情報に、第1期から第13期までの売上高・経常利益・運用資産総額が掲載されています。第13期(2025年8月期)はグループの売上高367億18百万円、経常利益33億29百万円、運用資産総額662億10百万円、EBITDA40億18百万円です。関係会社間の取引を相殺消去した連結ベースと注記されています。また官報に第12期(2024年12月6日)と第13期(2025年12月11日)の決算公告が掲載されています。ただし純資産・自己資本比率・有利子負債の額は公開されておらず、運用資産662億円に対する財務の健全性は公開情報からは判断できません。

新卒の初任給はいくらですか?

新卒採用情報によると、総合職は東京勤務が月給367,500円(理論年収5,760,000円)、大阪勤務が月給337,500円(理論年収5,400,000円)です。建築技術職は学士・修士・博士取得者が東京367,500円、大阪・名古屋337,500円、高専卒・専門卒が東京315,000円、大阪・名古屋285,000円とされています。総合職の内訳は基本給251,010円、固定残業代86,490円(45時間分)、地域手当30,000円(東京のみ)で、超過分は別途支給と記載されています。勤務時間は9:00〜18:00(休憩60分)、年間休日120日。総合職は完全週休2日の火・水・土・日のシフト制、技術職は土日祝です。家賃手当20,000円/月(規定あり)、宅建資格手当5,000円/月。なお既存の記事に掲載されていた月給342,000円は引き上げ前の金額で、その内訳にあった「賞与前払手当」は現行の求人票に存在しません。

残業はどのくらいですか?

求人票の固定残業代は45時間分で、超過分は別途支給と記載されています。一方で社員口コミサイトが集計した月間平均残業時間は、ある媒体で50.5時間、別の媒体で32.4時間と大きく異なります。いずれも投稿者の自己申告で回答者数も多くないため、幅を持って読む必要があります。なお労働基準法36条が定める時間外労働の限度時間は原則で月45時間・年360時間です。45時間を12か月続けると540時間となり年間の限度を超えるため、特別条項付きの協定がなければそこまで働かせることはできません。応募を検討している方は、直近の平均残業時間と超過分の支給方法を確認してください。

従業員は何名ですか?

公式サイトに従業員数の記載は見当たりませんでした。求人媒体では409人(平均年齢35.3歳)および244名(平均年齢34.9歳)、新卒採用情報では237人とされています。公的データベースに記録された社会保険の被保険者数は387人です。なお同社のプレスリリースでは2018年9月時点で40名、2019年1月時点で45名とされており、7年で約9倍に増えています。数値に差があるのは、集計時点と対象範囲(単体かグループか、雇用形態の範囲)が違うためと考えられます。また公的データベースの職場情報では、正社員の平均継続勤務年数が男性4.0年・女性4.0年、労働者に占める女性の割合が50.0%と記録されています。

まとめ|大和財託の評判・総評

大和財託株式会社は2013年7月1日に大阪で設立された不動産投資・賃貸管理会社です。法人番号は2120001178193、資本金1億円、決算月8月、代表取締役CEOは藤原正明氏。東京・大阪本社、名古屋支社、福岡・仙台・横浜・千葉・大宮・神戸・京都・岡山の8支店で、グループは大和財託リーシング・大和財託レジデンシャル・大和財託建設・有限会社須賀谷温泉の4社です。非上場です。

この会社は情報開示の水準が高い側です。公式サイトに第1期から13期分の売上高・経常利益・運用資産総額が掲載されており、第13期(2025年8月期)はグループ売上高367億18百万円、経常利益33億29百万円、運用資産総額662億10百万円。官報に第12期・第13期の決算公告も掲載されています。宅地建物取引業免許(国土交通大臣(2)第9583号)をはじめ、建設業許可・賃貸住宅管理業・マンション管理業・不動産特定共同事業・一般不動産投資顧問業・第二種金融商品取引業を番号付きで公開しています。

一方で、公開されていない項目にも意味があります。純資産・自己資本比率・有利子負債の額が非開示です。運用資産総額662億円は資産の側だけを示す数字で、それをどれだけ借入で賄っているかは分かりません。物件を購入する相手の財務の健全性を見るなら、官報の決算公告で純資産額を確認してください。

本記事では既存の記事から4点を訂正・更新しました。

① 会社概要が不完全でした。拠点は2本社ではなく11拠点、関連会社は2社ではなく4社、そして免許・許認可の番号が1つも記載されていませんでした。本記事で全件を掲載しました。

② 入居率の数値が1年半前のものでした。既存記事の99.39%(2025年4月末)に対し、公式最新値は98.66%(2026年9月末)。家賃回収率も99.69%から99.58%へ。「入居率99%以上」という表現は最新値では成り立ちません。ただし98.66%は賃貸管理業として低い数字ではなく、管理戸数が急増(2026年9月末で11,611戸)していることを踏まえると、新規物件の募集期間が含まれれば一時的に下がります。なお分母の定義の注記がないため、他社と比べる際は確認が必要です。

③ 新卒の初任給が引き上げられていました。総合職は東京が342,000円から367,500円(理論年収576万円)、大阪が312,000円から337,500円(同540万円)へ。

④ 試用期間と定年の記載が求人票と食い違っていました。既存記事の試用期間3か月に対し、確認できた求人票はいずれも6か月。定年は媒体により「60歳」と「65歳」の両方の記載があり確定できませんでした。

新卒の月給の内訳も公開されていました。東京勤務は基本給251,010円+固定残業代86,490円(45時間分)+地域手当30,000円。固定残業代の金額は基本給を基礎とした割増賃金として整合しており(251,010円÷月平均所定163.3時間×1.25×45時間≒86,450円)、この点は評価できます。一方で東京勤務の地域手当30,000円は算定基礎に含まれていない計算になるため、その扱いは確認する価値があります。なお既存記事の内訳にあった「賞与前払手当」は現行の求人票に存在しません。

上場については、代表が方針が3回変わった経緯をブログで公開しています。東証マザーズを目指して証券審査の最終段階まで進み、想定時価総額が見込みを下回って2020年5月に凍結。2022年6月に再開を表明し、同年11月にTOKYO PRO Marketの審査で代表のSNS発信を問題視され、SNSをやめるか上場をやめるかの二択で後者を選んだとして再び中止。「上場は今後もないと思う」と書かれています。判断の変遷をここまで公開している経営者は多くなく、透明性としては評価できます。

労働環境は、口コミ媒体が集計した月間平均残業時間が50.5時間と32.4時間で大きく異なり、総合評価も3.34と4.19に分かれています。いずれも自己申告で回答者数も多くないため幅を持って読む必要があります。50.5時間は固定残業代の対象45時間を上回るため、超過分の計算方法は確認すべき項目です。公的データベースでは平均継続勤務年数が男性4.0年・女性4.0年、女性労働者の割合が50.0%と記録されています。総合職の休日は「火・水・土・日のシフト制」で、土日が固定で休みになるとは限りません。

行政処分については、国土交通省のネガティブ情報等検索システムと東京都・大阪府の監督処分の公表一覧を照会できていません。取引の前には免許番号で自分で照会することをおすすめします(対象は直近5年分です)。

この記事は不動産投資の勧誘ではありません。判断材料として事実を整理したものです。投資の判断はご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。

出典:公式サイト(会社情報)・公式サイト(代表メッセージ)・公式サイト(代表ブログ IPO準備を無期限で凍結します)・公式サイト(代表ブログ 再度上場を目指します)・公式サイト(代表ブログ 再びIPO辞めます)・公式サイト(代表ブログ 第13期を終えて)・プレスリリース(国土交通大臣免許取得のお知らせ)・gBizINFO・企業情報データベース・新卒採用情報(総合資格navi)・求人媒体(中途・営業)・求人媒体(doda)・社員口コミ媒体A・社員口コミ媒体B・就活生向け媒体・国土交通省 ネガティブ情報等検索システム

この記事について

調べた日:2026年10月22日
調べたもの:公式サイト(会社情報・沿革・財務状況・代表メッセージ・代表ブログ4本・採用情報)、プレスリリース、国税庁の法人番号公表サイト、gBizINFO、企業情報データベース、新卒採用媒体、求人媒体3件、社員口コミ媒体3件、国土交通省のネガティブ情報等検索システムの案内、不動産ジャパンの行政処分情報の案内、消費者庁・厚生労働省の公表資料

この記事の調査・執筆

BizScope編集部

BizScope編集部

BizScope編集部は、企業の事業内容やサービス、口コミ・評判など、企業に関するさまざまな情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや公開資料、採用情報などをもとに、事業の特徴や強み、サービス内容、働く環境などを幅広く調査しています。
また、企業ごとの特徴や公開されている評価・評判をわかりやすく整理し、就職・転職活動や企業選び、取引先の検討などに役立つ情報を提供できるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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